変形性膝関節高位脛骨骨切り術
独立行政法人 国立病院機構 宇都宮病院 那須の里山花図鑑
整形外科
高齢者の仲間入りをする年代になり、身体も長い間動き続けて、健康なままこの年齢まで生きて来られて感謝する気持ちで毎日を過ごしています。

それでもところどころ痛みが出ます。 動きが機敏でなく緩慢になり、疲れやすくなったり、若いころとは違うことを実感して気落ちすることも多くなりました。

それでも若いころからずっと長い年月同じ仕事を続けられることは有り難い。50年ずっと農業という重労働を続けて来た。筋力を使い、重い物を持ち足腰に負担をかけ続けてきた。農業だけではなく他の職業の人も同じように身体に無理を掛けて働いてきた人は多い。

そして、加齢と職業病と言われる変形性膝関節症を発症します。特に女性に多いです。身近な友人知人も膝の痛みに悩まされ、O脚になり歩くのも不自由、姿勢も変わります。

わたしも51歳という若さで変形性膝関節症を発症し、半年間膝の痛みに悩み続け、水が溜まり腫れて歩行も困難になりました。リハビリに毎日通い、週一回アルツというヒアルロン酸注射を局部注射を14回続けましたが改善はみられず絶望的なあきらめの気持ちで過ごしていました。

そんな時、中期の変形性膝関節症の手術をする医師に出会えました。今思えば奇跡の様な幸運の出会いだったと思います。この時このドクターに出会わなければ今のわたしの健康体は無かったのですから。

『高位脛骨骨切り術』という手術です。まだ研究中で臨床試験中の技術を信じ先生を信じこの手術を受ける決断をし先生にお願いしました。今のこの痛みと水の溜まる膝の状態では未来は無いと悲観的でしたからこの状態が改善できるならと先生に希望を託し未来を賭けました。

身近に同じように変形性膝関節症を患う友人知人は膝の痛みに悩み苦しみながらも手術という決断をしないで痛みに耐えながら仕事をし生活しています。我慢強いです。でも、まだこれから女性の平均寿命まで生きるなら20年はあると思われる命です。生きている間痛みに耐え不自由な動きともしかしたら晩年は歩行困難で車椅子の生活になることもあるでしょう。それは原因は膝関節症とは限りませんが。

今、医師の診察を受け手術を勧められているなら手術を受けることをお勧めします。高位脛骨骨切り術は中期の関節症の時期の手術ですが後期の膝関節症には人工関節置換術も痛みを除き姿勢よく立ち姿で歩けることができます。人工関節置換術は行動制限もあり正座はできないので椅子の生活になるようです。少しは不自由ですがそれでも充分気持ちも痛みも楽になると思うのです。

手術を受けるには体質や骨の状態などいろいろ適応性も個人差があります。絶対手術が成功するとはいい切れない、温存と手術、どちらもメリットデメリットがあります。考え方は人それぞれ、自分自身のことです。決めるのは自分です。

先生の言葉が心にあります。『先進医療を受ける機会が目の前にあっても どんなに優れた先進医療でもそれを受けようとする気持ちがなければ最先端の医療でも受けられない。あなたが受け入れる気持ちがあったからだよ』 とおっしゃってくださったこと。わたしは私自身の未来のために手術を受けられたことを幸運だったとあれから20年経った今だからこそ心から感謝しています。

今、姿勢よく動ける姿 立ち姿 行動力を見て両膝を手術したとは思う人はいないくらい自然体です。仕事も現役で動きの激しい仕事、重労働を続けています。トラクター作業、コンバイン作業、和牛飼育の一連の作業、菜園で野菜作りも動きはスムーズです。それは手術を受けたから、一歩前に進めたからです。

膝関節症で悩んでいる人に手術も一つの希望への選択肢だと知ってほしいです。特に後期になる前に中期の内に高位骨切り術を受けていただきたいとお勧めしたいです。

変形性膝関節症 高位骨切り術のパンフレット

あかね雲の術後経過データは米国の整形外科学会で発表され世界各国に紹介されました

左膝・51歳   右膝・61歳 で手術後O脚ではない立ち姿
那須平成の森散策では山道アップダウンも悪路も長時間も大丈夫。京都や西日本への一人旅も一日歩き続けても平気、お寺の長い階段も山道坂道も大丈夫。まだまだこれからも一人旅を楽しみたい夢を叶えたい、この膝で。
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