ヤマツツジ 山躑躅   2016年5月6日
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ヤマツツジ 山躑躅  Rhododendron kaempferi
ツツジ科ツツジ属 半落葉低木 

花色はピンクから朱色や緋色や赤など色幅がある 雄蕊は5本 葉は展開の頃は軟毛におおわれ 大きさの違う葉が輪生し青葉になるに従い互生する

春の葉は秋に落葉し 秋の葉は1センチくらいの小さな葉で冬芽を包んで落葉しないで冬を越す 

全国の山地や雑木林の樹下に自生する  

5月初めの雑木林を明るく彩る

芽吹きの葉には柔らかな毛に覆われている 葉の展開の時は大きさが不ぞろいの葉が輪生のように見え青葉の頃は互生する
ヤマツツジの木が多く自生するこの山は40年ぐらい前までコナラやミズナラやクヌギなどの雑木を炭に焼いていました 数カ所の雑木の山を5年ぐらいの周期で移動し炭を焼く窯を造ります 前回切ったコナラやミズナラやクヌギは20年ぐらいで炭に焼くのにちょうどよい太さに育ちます 燃料需要の変化で炭焼は行われなくなりました 炭焼の技術も絶えてしまいますね 

雑木の林は別な利用もされています 木の葉をさらい集めて牛や馬などの家畜の敷糧に利用して堆肥にしていました 循環型里山農法ですね 

木の葉をさらう作業の頃は下草や小さな木は刈られてしまいました なのでこの山はきれいに整備されていました あかね雲が機械で下草刈りと木の葉をさらい集める仕事の担当をしていました なのでこの山の地形はよく記憶してどこにどのような木が生えているかも覚えています

熊手で落ち葉を掻いていると蔓竜胆の紅い実がつやつやと綺麗でした 初夏には一薬草がたくさん咲いています とても大好きなヤマツツジの咲くこの林です

そう言えば木の葉をさらい集める時期は初冬の11月末から12月初めでした まだ遅いモミジは真赤に色付いて木に残り 落ちたウリカエデやウリハダカエデはコナラやクリやシデ類の葉に交じって 落ち葉もいろいろな色でそれもうれしい懐かしい記憶です

しばらくぶりに今回ヤマツツジを観にこの山を懐かしく歩いて廻りました ウリハダカエデやヤマモミジやいろいろな木の幼木が生えていて1メートルくらいに育っていました またこの山の草を刈り篠藪を刈り野草を育てたりして ここに小さな家を建て静かな老後を過ごせたらいいな・・・ なんて ささやかな夢を実現したくなってしまいます

ヤマツツジをこの山に観に行きうれしい雑木林の散策でした 新緑の薫るなかをのんびり歩いた時間でした まだにょろがいないから安心(笑)

かおり風景100選のヤマツツジやレンゲツツジの群生する名所那須町八幡
レンゲツツジ 蓮華躑躅Japanese azalea, Rhododendron japonicum
つつじ科つつじ属   分布地は本州 山地に自生

5、6月頃に高原に咲く 有毒なので注意

黄色は改良種

以前は関東北部の山間地のこの地域にも多く観られました けれど近年はほとんど自生のレンゲツツジを観られなくなりました 山林の草刈りが行われなくなり 自生地は篠竹が繁殖して藪になり生育が困難になったのかもしれません それが個体減少の理由の一つかもしれないと思っています

それでも所有地の陽の当たる林の縁に幼木を見つけ(2016年5月6日)うれしくなりました 

  那須の里山花図鑑