瑞穂の国 稲作の四季風景 
那須の里山花図鑑
瑞穂の国 稲作の四季風景 秋
春3月 お彼岸が過ぎると春の農作業が始まります 自然界もまだ雪が舞い冷たい風の吹く中にも春の足音聴こえてきて早春の野草が芽吹き小さな花が可愛く微笑み 早春の木々も芽吹き花も綻ぶころです 

稲作りの準備です 種もみは浸種して積算温度100度で芽が出ますのでそれに合わせて水槽に浸します

種を播く苗箱に土を入れます 1袋20キロを80袋を買って用意します 以前は家の山の土を掘って運んで土振るい機で振るい肥料や農薬を人力で混ぜて準備しましたが 労力軽減と消毒された土を使うことで病気予防のために苗床に適した土が販売されて便利なので使います

苗箱に土入れは人力 800箱は重労働です 椅子に座って遣りますが屈んだり 運んだり 積んだり 大変 でもそれも 腕力 背筋 腹筋 など全身運動になり健康維持のためと思ってやればいいのです

土入れと種蒔きを同時にできる機械なのだけどね 使わないから宝の持ち腐れ よね 

風のない穏やかな日を見計らって3棟のハウスにビニールを張ります 田んぼには肥料を散布して 水を入れて代掻きも始まります
鳩胸に催芽した種もみ 水分を乾かして播種の準備

コシヒカリとひとめぼれの2種を間違わないように違う色のネットに干します

四月初め 播種作業 一回400箱を二回に分けて電熱器に入れて30度で3泊4日温めて一センチぐらいに芽を出します 

電熱器から箱をハウスに運んで並べます 芽が出たときは白い芽なので遮光シートと断熱シートを掛けて3日間緑化させます 下の画像の様な感じに

一日一日 朝シートを剥す時の苗の成長が楽しみ 緑の美しい健康な苗に育つように昼間の水管理と晴れた日にハウス内が高温にならないように27度に保つように温度管理も気が抜けません
何といっても苗の緑と朝の陽射しに煌めく朝露の美しさはどんな宝石にも引けひけを取らない
田植え5日前 苗箱施用の病気害虫予防剤を散布 苗箱を動かし足を入れる場所を作り一箱づつ規定量の薬剤を振ります なかなか大変な仕事です でもこれで田植え後しばらくの間の稲の健康が保たれるので後の防除作業には大きな省力化になるのです
4月末から5月初め 田植えの始まりです 苗の田んぼデビューです 軽トラに台を載せて80箱
一日目は家の前の田んぼから試運転 エンジンの調子や苗を植える爪の調子 苗の本数 株間など調整します 植えられたばかりの早苗
昔の田植えは手植えで折衷苗代で分株するくらい育てた成苗を6月ごろ植えていましたが 現在は機械で20日育てた稚苗をゴールデンウィークに植えます
田植えはゴールデンウィークの祭事の様な感覚 以前は娘たちが手伝ってくれていましたが 今は娘たちが家族を持ち娘の夫や子供たちも楽しんで田植えにはみんなで集まって手伝ってくれます
苗箱の後ろに付いている根の掃除と箱を積んで片付け
何といっても楽しみはお爺ちゃんの運転する田植え機に乗ること それはお爺ちゃんの幸せ
娘の夫は田植え機の操作も興味津々で覚えて今はベテランになりました 助かります
効率よく田植えの作業するには苗運びと機械に苗を載せる仕事も大切 重い苗を手際よくは粉から離して手渡すのも重労働 腰痛にも注意です
天気にも恵まれ予定通り順調に田植えが終わり みんなも田植え機も苗運びの軽トラも引き揚げです
夕方は無数のカエルの大合唱が響き渡り 満ちてくる月も田んぼの水面に映って夕景が抒情的です
昔は田植えは地域の行事 そして長い準備の作業の重労働の一区切りです

結(ゆい)という助け合いの作業で 田植えが終わるとみんなで労らい合う「さなぶり」というごちそうを作ってお祭りのように喜び合い休日もありました

あんころ餅 草餅 ぼた餅 大福 お赤飯 五目ごはん 煮物 田舎巻きすし など 手作りの料理を作ったものでした

瑞穂の国 稲作の四季風景 秋 に続きます
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