那須の年中行事
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こちらの地域には念仏を唱える集会がはるか昔から長い年月続いています 

どのような謂れがあるのか詳しく説明できる人は誰もいなくて それでも先祖から代々この地に縁があり嫁いで来た女性により 口から口へと伝えられてきました 民間念仏として信仰されたこのような集落の念仏は教理経典に基づくものではなく庶民生活に根源をおいたもののようです

念仏の起こり 比叡山常行三昧→融通念仏→空也上人の踊り念仏→一遍時宗の踊り念仏→法然上人から親鸞聖人の口称念仏へ 

空也上人 その後一遍上人は生きる苦難にあえぐ一般民衆の心の救いを教えに地方へ布教の行脚にでました それまでの仏教は貴族のための仏教 立派な寺院を競って建てて自分の栄華を誇る 誇示する 僧侶を介して来世の冥福を願うもの けれど空也上人から浄土宗への声明念仏は「南無阿弥陀」と唱えるだけで自分の極楽往生が叶うという教え 数々の戦いに明け暮れた乱世に地獄の苦しみを受ける民衆  けれど平安時代や鎌倉時代の仏教は民衆には遠いものでした 空也上人を基礎として一遍上人 法然上人 親鸞聖人 など高僧により一般民衆に広がりました 親鸞聖人は佐渡に流され その後自由になり関東常陸(現茨城県)に住んだと伝えられています  

「南無阿弥陀仏」と六字を唱えるなら 現世はどのように苦しむとも死後は西方極楽浄土への往生が叶うと信じた庶民の信仰の切なる熱意がひしひしと伝わります その信仰の念仏講という集会が盛んに行われるようになり今に伝わっているのは貴重なことと思います      

念仏の経文の言葉の一つ一つは阿弥陀仏への帰依と先祖を敬い亡くなられた方を回向する意味の深さを説いています

このページは宗教色の濃い話を書きますが特定の宗教への傾倒を書く目的ではありません       

地域に言葉で伝承(口伝)されてきた大切な文化の記録との理解をお願いいたします

常には 新年の初午 2月8日 春彼岸 4月7日・薬師様 8月8日 秋彼岸 に集まり称名念仏をします 下にあります基本念仏を12回(法要の時は13回)繰り返します 

念仏お唱えのあと「宿」の家で準備した料理を会食しながら楽しくおしゃべりに花が咲きます それは地域親睦と情報交換という意味でも有意義な集まりといえるでしょう

三年に一度「念仏供養」という日には集落で集まり餅を搗いてお供えして供養します

十三仏とは  七日目・不動明王 二七日・釈迦如来 三七日・文殊菩薩 三十五日・地蔵菩薩          四十二日・弥勒菩薩 四十九日・薬師如来 百か日・観音菩薩  一周忌・勢至菩薩             三回忌・阿弥陀如来 七回忌・阿しょく如来  十三回忌・大日如来 三十三回忌・虚空蔵菩薩

パソコンにお念仏の文句を打ち込みました ところがパソコンの機械的な文字ではお念仏のありがたさや感じが伝えられそうにもなくて 念仏帳に書き写した文字を写真に写しアップしました

この念仏帳は一人ひとりが自分の文字で先輩女性のノートから書き写させていただきます              自分の文字でないと読みにくいのと 念仏独特の節回しを各自の表現で記録するからです              こうして 姑から嫁に 長老女性から中堅・若手へと口と文字で『念仏』という民間信仰の文化が脈々と伝えられてきました 以前は旧村のどこの集落でも行われていた念仏ですが 現在はこうして残っているところの方が珍しくなりました

今ならまだノートも念仏独特の節回しの記憶もあります けれどこれがいつ絶えてしまうかも知れないのです 伝え残して行きたい願望を込めてこのページに記録させていただきたいと思いました

注・言葉の変な箇所がありますが 口伝であることと 土地の訛り言葉と発音のためですのでご理解ください                       写真の拡大は順次修正追加させていただきます  写真のゆがみはご容赦を

各地に伝えられている念仏のいろいろ
・彼岸念仏

・盆念仏

・十夜念仏

・涅槃念仏

・正月念仏

・葬式念仏

・六斎念仏

・百万遍念仏

・虫送り念仏

・鎮魂念仏

・供養念仏

声明念仏 十念  基本念仏 南無地蔵様     みちのはた
十三仏 お通夜念仏
石碑建立法要念仏 三十五日法要念仏
石碑建立法要念仏
道の辺念仏
道の辺念仏 
念仏塚
念仏供養塔
念仏供養の日は庚申供養の日と同じく集落で餅つきをします
   念仏集会の料理
いなりずし   または ぼたもち ごま牡丹餅 きなこ牡丹餅
五目おふかし         マカロニサラダ ごぼうまたはうどのきんぴら
中華サラダ ほうれん草またはクレソンのお浸し お漬物
・お酒

・お茶菓子

・果物

那須の里山花図鑑