ヤマザクラ 山桜  2012年4月20日 トップページ
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春ごとに 花に心を なぐさめて 六十路あまりの 歳を経にける   西行
願わくは 桜の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃      西行
散る桜 残る桜も 散る桜                     良寛
明日あると 思うこころの 仇ざくら 夜半の嵐の 吹かぬものかは   親鸞
世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし   在原業平
日本全国の80パーセントくらいは染井吉野だそうです けれど去年(2011年春)エンジンのついたパラグライダーで空から奈良県吉野山の眺望を写している映像を観てそれまでの桜観がまるで変わりました

吉野千本と讃えられるとおり山から山へと一面に桜が咲き 新緑とヤマザクラの赤い葉とピンクや白の桜の花の入り混じったコントラストの美しさに眼を見張りました山肌を舐めるような低空飛行の映像も桜のリアルな美しさを伝える絶好の手段が素晴らしい 

吉野山で思い出すのは 山口百恵さん主演の映画『絶唱』の挿入歌 『吉野木挽き歌』 「ああ〜ぁ 吉野 吉野と訪ねてみれば 吉野千本 花盛りよ〜」 という 百恵さんの叙情的な歌声と哀しい映像の感動的な場面が印象的で今も忘れられません 映画で日本の美しい風景と情感を一体で残せるというのも文化遺産かもしれませんね

カタカナ表記 ヤマザクラ は 赤茶色がかった葉と花が同時に展開する山桜を指す固有の名前 

漢字表記 山桜 は 山に自生する多くの種類の山桜を指す 自生種は100種を超える 若葉は緑色も多い 

山桜を原種として人が作った園芸品種も多く園芸品種をサトザクラ・里桜 と呼ぶ

ヤマザクラ  Cerasus Jamasakura  バラ科サクラ属 落葉高木 日本固有種 

本州四国九州に自生  エドヒガンに次いで長命 

花色は白から淡紅色 花柄 子房 花柱 とも無毛 葉は互生 鋸歯があり 葉柄上部に腺点が2個がある 花と褐色の葉が同時に展開する

樹皮は暗褐色から暗紫褐色 膨らみのある大きな皮目がある

染井吉野誕生以前は桜といえばヤマザクラのこと ヤマザクラは花と赤茶色の葉が同時に展開する 現代の日本では桜といえば染井吉野と思われていますがそれは江戸時代に染井吉野が誕生してから近代のこと

西行さんも良寛さんも親鸞さんも業平さんも 春になり桜の開花の時期には日本人の心をわくわく魅了して多くの歌人に詠まれ親しまれた桜はヤマザクラなのです

葉が赤茶色で花は薄ピンク ヤマザクラ
春 花を咲かせたときだけ 「ここに居るよ」 と 呼びかけているように 花のときだけ静かに存在を知らせるような山桜 山に咲く桜にとても惹かれます
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JAFマイページ登録者限定ダウンロード画像  吉野山の桜の風景
 那須の里山花図鑑